カードキーを翳しドアを開ける。
結局此処に帰ってくるしかなかった。
「…これ…」
玄関にはヒールが2足置いてある。お客さん…かな?そしてリビングから聞こえてくる談笑。ローファーを脱いで歩いていくとミケとリヴァイ、知らない女の人が2人ソファに座っていた。
茶髪のお姉さんと、淡い金髪のお姉さん。
モデルみたいな体型で綺麗。
まさに大人の女って感じがした。
「お帰り。もしかしてレイちゃん?」
「可愛い!いくつ?」
「あ…18、です」
あれよあれよとソファに座らせられる。
姉のハンジと妹のナナバさん。
4人でたまに昼からお酒を飲んだりするそうで。アイスペールが相当汗をかいてる辺り長い時間飲んでいたんだろうか。流れる手付きで用意してくれたグラス。ホステスのお姉さんに相手されてるみたいで少し緊張する。
「オレンジブロッサムだけど」
「レイ、無理して飲まなくていい」
まぁ保護者代わりがこんだけいるから問題ないでしょとナナバさんが笑う。1口飲んでみる。オレンジの味と合わさって苦味が追い掛けてきた。不味くは…ないけど慣れるまで時間がかかりそう。
「…叔父さんは?」
ここ数日彼を見ていない。
多忙で何かと外に出ているらしい。実は家に居ることも稀なんだとか。
「それで、お兄ちゃん達とは友達…?」
「お兄ちゃんて呼ばせてんのか。いいなそれお姉ちゃんて呼「コイツ等親戚だぞ」
「といってもこっちは分家。本家のレイちゃんとは滅多に会わないよね」
「そうなんだ…、!」
ちゅ、といきなりキスされた。
「…え、え…っ!?」
「つい可愛いからチューしちゃった」
「そーだ、今から女3人で出掛けない?ミケ!車借りてくから」
返事をする前に2人は善は急げとレイの腕を引き、カウンターキッチンに置かれていた車のキーを取る。飲めそうに見えてハンジは酒を飲まない。玄関の方で話し声が聞こえるが一方的過ぎてやれやれと溜息が出る。
「汚すなよ」
それ言う?ニヤニヤとハンジは笑った。
「出来たらね」
*
突然の出来事。
一緒に出かけようと言われて車の後部座席にナナバと乗った。向かう先なんて知らずに。しばらく走った後に人気の無い所で急に停まったと思ったら。今されてる事は?
「やぁ…やめて…っください…」
「それにしてもいいおっぱいしてる」
最近の女子高生は発育いいんだ。力任せに開かれ縫い付けが取れたシャツに、たくし上げられた下着。ナナバはシートに押し倒したレイの上に覆い被さり何度もキスを繰り返しながら胸を触っていた。
「あっ…ぁ…!も、っ離して…!いや…」
「あは、抵抗されると『俺』のがますます元気になっちゃうな」
「っえ…俺…?」
アハハッ!運転席で煙草を吸っていたハンジが笑い出す。スカートの中に入り太腿を撫でてくる手が身体を一瞬で強ばらせた。
「この格好はただの女装、俺達は男」
男。この人達は…男。
バレると思ってたのにレイちゃん全然気付かないから、じゃあ何処までいけるかなって思ってたらさ。手は上へと這い上がってくる。逃げなきゃダメだ。起き上がろうと力を入れるもビクともしない。こんな所まで来ちゃうんだもん。
「そりゃ止めらんないよね」
「なに…するんですか…」
「分かってて聞いてる?今からコレを中にぶち込んでセックス…あ、レイプか」
「したく…ない…!家に帰して…っ!ぁ…」
嫌だと首を振ると意識がグラリと揺れた。
頭では分かっているのに手足が追い付かない。その間にも下着が脱がされていく。
お酒飲んだから…?
「んっ、あぁ…っ!」
「酒弱いんだ。それよりほら、俺の手こんなにびちょびちょ」
「ゃ…違う…っ帰りたい…帰して…」
「ハンジも来なよ、泣き顔すげぇ可愛いから」
運転席のドアが閉まり後部座席のドアが開く。ハンジは乗り込むと、レイの上半身を自分の膝の上に乗せゆるりと両腕を掴んでいた。下半身はもう、ナナバがしっかりと掴んでいて何も出来ない。恐怖、涙で視界がぼやけていく。はい、レイちゃんこっち向いてー。
「っ!?いやっ、や、めて…撮らないで…っ!」
「リヴァイ達に頼まれてさ」
「ふっ、ぅ…っいや…ぁ…!」
「やっべ!クソ可愛い」
「ミケとリヴァイ程にデカくないから安心して、はいご開帳〜」
グチュグチュと音を立てて入ってくる。
濡れているから痛みがない。少しの重力を感じるだけ。気持ち良くなんてない筈なのに…やっぱり片隅で僅かながらに感じてるの。そんな自分が許せなくて行き場のない罪悪感に押し潰されそう。
「んっぁ、あっ、ぅ…」
「っおー…何この締め付け、処女みたい」
「ふぁ…とめて…っ奥やったら…だめなの…っ!」
「奥が好き?はいはい了解」
「あっ、ぁんっ…んっ!」
ナナバが腰を下ろす度ぱちゅ、とやらしい音が中から溢れ出す。
カーセックスいつ振りだろ。狭くて座席当たんのがアレだけど俺好きなんだよなぁ。ミケに汚すなよって言われた。あ、そうなの?だったらそうしなきゃいいんじゃない?
「中に出せばいいでしょ」
「あっ!ぁ、いや、も…動くの、やめ…あっ…あぁっ!」
「っ…!…はぁ…っおー…名器…」
「レイちゃんどうだったー?」
ハンジとナナバの声なんて聞こえない。
ポロポロと涙が落ちていく。誰にも言えない。誰にも助けを求められない。悪いのは全て私、なんだよね…?こんな私がエレンの彼女でいいの?
「というわけで次の相手は俺」
「…いゃ…もう、したくない…!」
「リヴァイ達といつも?エッチしてるんだからこのくらい何てことないだろ?」
また悪魔が囁く。
「大丈夫だよ、終わったらレイちゃんのお家まで『お兄ちゃん達が』ちゃーんと送ってあげるからね」
ただエレンに、会いたかった。