本来肌なんてモノは味がしないが恋人のレイは別だった。初めてセックスした時に試しに噛んでみたら美味かった。それだけは覚えてる。どんな味?そんなもの説明出来るわけねぇだろ。ただ美味かった。
「っ…!」
そして今日も肌を味わう。
目立つ所に跡は付けないでと言われてるので『仕方なく』シャツで隠せる胸元に。舐めてから一気に噛み付けばレイの身体が痛みに反応した。
「リヴァイ…っ痛いってば…」
「お前が悪い」
「…私が?」
ベタな言い方をすればお前の肌が美味いのが悪い、といったところ。
そしてまた噛み付く。
「んっ!ぁ…っ」
「さっきより痛いだろ、血が出た」
「っもー…」
滲んだ血を吸い取った。
開かれた胸元が噛み跡でほんのり赤く染まっていく。セックスは限られた時間と場所でしか出来ないが、この行為はいつでも出来る。たぶん俺が思ってる以上にレイは痛い筈だ。それでもこうして受け入れてくれる。
好きだと言ったら返ってきたのは聞き飽きた。愛してると言ったら返ってきたのはそれも聞き飽きた。そう来ると思った。確かに飽きる程言ったな。
「だからこうしてんだろ?」
言葉で言われるのに飽きたなら身体に伝えるしかない。俺からレイへの愛の証。
「うん、だからこうしてる」
開かれたシャツ。俺の胸元にも同じ様な赤い噛み跡が幾つも。レイから俺への愛の証。
これは2人だけが知る、
No.8 愛情表現