「ねぇエルヴィン」

黒と白どちらが好き?
どういう黒と白かと聞いてもとりあえず答えてとのこと。少しだけ悩んだ。

「どちらかと言えば…黒かな」
「そう、それならご要望通りにしてみる」
「何の話だ?」
「下着の話よ」

ケロッとした顔でレイは答える。

「下着?随分唐突じゃないか」
「前もって聞いてみるのも面白いかなって」

自分好みの下着を…それはそれで悪くない。こんな事を職務中に思ってしまったのは内緒にしておく。何食わぬ顔で誤魔化してはいるがきっと彼女にはお見通しだろう。

「一緒に買いに行くのはどう?」
「俺とレイが?」
「他に誰がいるのよ」
「そうだった」

でも君はどんなものを身に付けても似合うから気にしなくてもいいんじゃないかと返した。それは本当に思っている事だから。それに最初から手札という名の『どんな下着を身に付けてるか』が分かってしまってる状況というのは俺にとって余り楽しめるものではない。そのまま、君がしたいようにしてくれたらいい。

「つらつら意見を言ってるけど」
「うん?」
「結局私なら何でも許すくせに」
「はぁ…参ったよレイ、お手上げだ」
「なら決まりね」
「俺が選んでいいのか?」
「もちろん、あなたの好みのままにどうぞ」

休日が待ち遠しいと思っているのも、彼女にはお見通し。

No.14 相談

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