何回でも願えを唱えよう

今日は7月7日。七夕の日で、願いを書ける日とも捉えている。短冊に願いを書き込んで、お願いをする。それだけ。

今日は、久しぶりにガンナーズと試合だ。こちらがホームで試合だ。今回は出場停止にならなくてよかった。
昨日スタジアムに短冊を掲げるっという企画に、有里さんは選手及び監督に短冊を書かせて集めている。
俺も短冊に、一言書くだけなんだ。だけど、今は何も思いつかない。
何を願えばいいのかわからない。
迷っているうちに、日が暮れてしまっても短冊は白紙のまま。夜になっても悩んでいる。悩んでいるときやっぱりグラウンドに赴いてしまった。だけど、今日はボールは蹴らないと決めてグラウンドずっと見ている。
「ふーん。今日もいたんだ」
振り向いてみると、監督がいた。
「ウッス。いたんですか」
「お前が見えたからな。お、ボールは蹴らないんだ」
「明日はガンナーズとの試合ですから、ここで蹴って体調を崩してもチームに迷惑をかけます」
「ほー、進歩したな椿。ホントここで倒れたらお前の価値がなくなるもんな」
「うっ、監督」
「はっは、そんな顔すんなよ」
ふと、自分が持っている白紙の短冊を見て
「監督、短冊に願い事書きましたか」
「あぁ、書いたよ。有里が書け書けうるさいから」
「なんて書きました」
「うん、明日 勝てよ」
「それだけでっすか」
「ほかに、何があるんだよ。今はこれ以上いいもんないだろ」
「あ、はい」」
「またまた、そんな顔すんなよ。んじゃー、本当の願いをお前だけに言うよ」

フットボールができますように

「これが、俺の本当の願い」
聞いたとき、あぁ俺はとても酷なことを監督に言わせたなっと思った。
監督の脚はもうボールが蹴れないほど悪くなっている。だから、選手としてまだ生き残れていたかもしれないのに、今ETUの監督である。
「おい、椿。もう寝ろよ。明日はガンナーズをまた一泡吹かせてやれよ」
「ウッス」

監督はグラウンドを離れていった。俺もすぐにグラウンド離れた。

もうすぐ、ガンナーズとの試合が始まる。俺は昨日出しそびれた短冊を握りしめて、ETUの笹に飾りにいく。ほとんど、監督の影響でこんな願いになってしまったが、今の俺も恐れていることだから、願えるときに何回でも祈ろう。

(これからも、フットボーラーでいられますように)




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -