曇り時々雨のち、快晴

今年も空は晴れてくれなかった。
今日は、久々に東京イーストユナイテッドこと、ETUとの試合がある。
前回負けたから、途中で抜けてしまったとか思い出す。わくわくする。今回も負けたいとは思っていない。僕だって、みんなだって前回の試合は悔しいものとして心のなかにある。

今日は7月7日にちなんで、選手及び監督たちを含めたみんなで短冊を書いて試合会場に飾ろうっという企画がウォーミングアップ前に聞かされた。
短冊か。久しぶりに書くなっと思った。
試合前には書くようにっと言われた。
皆さんは渡された短冊にさらさらとペンを走らせていた。僕は何を書くか迷っている。
少しだけ皆さんの短冊の内容を見てみると、
「今日は晴れますように」とか
「勝てますように」とか
「彼女ができますように」とか
他愛のないことを書いてあった。僕も簡単に済ませればいいのに、内容をどうしようか迷っている。
「クボタン、何だまだ迷っていんのか?」
「えっ、・・・あ、はい」
「そんなもん考えないで決めちゃえばいいんだよ、考えたって無駄無駄」
「あ、・・・はい」
っと、言われたけどほんとにこういうのに無駄に時間をかけてしまうタイプだとつくづく思う。作文もうまく作れないみたいな。
試合まであと少しで、まだまだみたいな時間帯に僕は競技場をうろついていた。ほんとはあんまりしちゃいけないけど、なにかに引き連れだされた感覚に抗えずうろついている。
今回はこっちが、アウェーであるからいつもとは違う感覚で、自分のホームとは違い少し楽しい気分になる。
うろついていたら、今回相手になるほうの短冊が掲げられている笹をみつけた。短冊の内容は、こっちと似たり寄ったりだった。
あれ?っと思う。どれを見ても、あの名前がいないなっと思ったそのとき、
「あれ、君はガンナーズの・・・」
「あ、はい・・・窪田です」
そのとき、僕は相手の手の内にある短冊を見た。
「あ、・・・短冊」
「あ、俺まだ書いていなかたんっすよ。何を書けばいいのか解らなくて・・・でも、決まったのから飾りに」
「・・・何を書いたの?」
「えっと、これを」
っと短冊を僕に渡してくれた。

これからも、フットボーラーでいられますように 椿大介

とても、明確な願い。だけど、いつ自分が壊れるかわからない恐怖。
これは、どのプレイヤーでもいつも考えていること。ただ、とっても素直願いを短冊に書いていた。
「・・・見せてくれて、くれてありがとう」
「うっうん」
「・・・すごくいい、願い事だね」
「あっ、ありがとう」

椿は、チームの人から呼び出しを食らった。そろそろ、今日の試合が始まる。楽しい時間が始まる。
僕もすぐに、自分の居場所に戻らないといけない。
「クボタンどこ、ほっつき歩いてたんだ、もうそろそろ試合だぞ」
「・・・あ、はい」
「そういえば、お前短冊の内容困っていたよな。結局決まったか?」
「え・・・はい。決まりました」
「ふーん。いったい、なんなんだよ」

ずっと、試合ができますように

「ふーん。そうだな、クボタンはテクニックはあってもスタミナがないからな」
「あ、・・・はい」
「まっ、頑張ればできることだから頑張れよ」
「あ、・・・はい」
そうだ、ずっと試合にでれたら楽しい。それだけで面白い。

(君とずっと、戦っていたいんだ)




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