真夏の昼下がり


お盆の時期になって、実家へ帰った。東京より涼しいかと期待はしたものの、実家も今年の猛暑で暑い。
実家に着いた時には、兄妹の妹夫婦が先に着いていた。俺の住んでいる所から少し離れているのに、俺より早く着いていることに
「俺も、年かな」
と呟いた。

妹は、6年前に長女を、3年前には長男を出産している。
まあ、娘息子がいない俺にとっては、可愛くて仕方が無い子供たちだ。実家へ帰る前にそんな子供たちにオモチャを買ってプレゼントした。見ない間に、が大きくなっていたり、髪の毛が伸びていたりして子どもの成長は早いな。
「ひろしおじちゃん、ありがとう!!ほら、大介も」
「ひろしおじちゃん、ありがとう」
「どういたしまして」
しっかり者の姉と臆病者の弟か。二人とも渡したオモチャに喜んでくれて一先ず安心だと思った矢先に、今回プレゼントしたオモチャに姉が弟のものに反応してしまった。
これはほぼ、というか絶対けんかしてしまったら弟が姉に負けてしまうパターン。まだ、この年に男女の差は皆無。というか、弟が姉にこの先勝てるのかも危うい関係。
「大介、これ少し、貸して」
「やだよ、お姉ちゃんも貰ったのがあるでしょ」
「少しだけ貸してよ」
「やだよ、これ僕のだから」
「大介、少しでいいから、貸してよ」
「やだー」
「いいから、貸してって言ってるじゃん貰わないから」
「やだ」
というやり取りを端で、俺はほのぼのしつつ見ていた。だが姉のほうが頭にきたのか、大介のオモチャを奪っていった。そりゃ、オモチャを奪われた大介は悲しみのあまり泣き出していた。
「お姉ちゃんが、僕のオモチャを奪ったぁ」
「少しだけ貸しって言ったじゃん」
だが、弟の泣きっぷりもよく姉はそんな弟をみて反省したのか。
「大介、ゴメンお姉ちゃんが大介のオモチャをとって悪かった」
「うぅ、うぅん」
仲直り二人の見た俺は
「仲直りした二人は、ひろしおじちゃんとボールをけるか?」
「「うん」」

お盆の暑い昼時に、三人でずっとボールの蹴り合いをしていた。

「なあ、フットボール二人とも好きか?」


((うん、大好き!!))




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