※直接的な描写ないです。ぬるいです。

例の傍若無人な監督から呼び出しを喰らった。

何だと思って急いであいつの部屋に行けば今度は腕を引っ張られて
どうした、と言えばベッドに連れて行かれて、押し倒されてしまった。
目の前にはしてやったりな顔でニヒニヒ笑うあいつの顔。

おもわず溜息を吐いてしまった。
傍若無人すぎて呆れてしまった。

「…なにがしたいのかなあ、カントクさんは」

「ナニって…ナニ?」

なんて嫌な笑みを浮かべ言い放つこいつは今度は私のスーツを剥ぎ取りにかかった。
ちょ、これはまずい。場に流される。

「・・・・やめてよ、ばか達海。」

そう言って体を離そうとすれば逆に力を込められて、
顔を耳元に近づけられる。

そして、

「ふうん?そう言う割には、まんざらでもない顔してるけどねえ、なまえちゃーん?」

といつもよりワントーン低めの声で囁かれれば、体は正直な物で。
くそ、こいつ、これに弱いことを知ってる。

「…もう、好きにしたら」

「もちろん、そうさせてもらうよーん。なまえ。」

にひーと笑った後、唇を塞がれたら、勿論それの合図。
あゝ、またこの傍若無人に流されていくのか。

そう思えども、それでもいい気がするのは惚れた弱みなのか。
悔しいと思う気持ちを暈すようにこいつの背中に爪を立てた。

傍若無人に
恋をした。




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