Short story

豆まき


『じゃじゃーん!』

「お前、いくら食い意地張ってるからって豆をおやつ代わりにすんじゃねーよ」

『ちょっと!流石にお豆はおやつにならないでしょ』


お腹にたまらないじゃない!と怒る陽子。もっと他につっこむところがあるんじゃないかと思う。




いつものメンバーで、いつも通り俺の部屋でくつろぐ俺達。

いつもいろんな食べ物が入っている陽子のスクールバックはまるで四次元ポケット。ランボのお気に入りだ。



そこから今日取り出されたおやつは、おやつと呼べるのか…ただの豆だった。





『ちょっとみんな!豆見て何も思わないわけ?』

「お、そっかそうゆうことな!」



流石たけ!!とハイタッチをかますふたりはまさに幼馴染ワールド全快で、俺達にはついていけない。




『じゃとりあえず獄寺、これつけてね』



手渡された物を見てようやく理解した俺達。つまり陽子は豆まきがしたかったわけだ。



「ちょっと待て、なんで俺が鬼なんだよ」

『いつも怒ってるから?』

「怒ってるから?じゃねぇ!!果たすぞこら!!」

「まぁまぁいいじゃねえか。いやーガキの頃を思い出すな〜」

「お前が鬼やれ野球馬鹿」

『ダメだよ!たけに向かって豆投げてみ?みんなキャッチされちゃうから』



えーそんなのあり?



「それもそうか…」



納得しちゃうんだ。





『ツナにやらせるのもおもしろそうだけど、獄寺が許さないでしょ?』

「あったりめぇだ!!10代目に向かって豆なんかなげられるか!」

『ほら獄寺がやるしかないんだよ。本当は一番似合う人がいるんだけどさ』

「そいつでいいじゃねぇか」

『いやいや流石にかわいそうだし、後で面倒になるよ?』

「俺がやるよりましだろ」




分かったよと半ば諦めモードの陽子は、待っててと部屋を去っていった。







『さあ!思う存分投げつけろ!』

「そうゆうことかよ!こりゃあいいぜ」

「たとえ豆でも投げるのには変わりねぇしな…おりゃ!!」


あぁ、どうすんだよこれ。だいたい俺の部屋でやるなよな!部屋中豆だらけじゃん。


陽子が連れてきたのは鬼のお面をつけて泣き叫ぶランボ。まぁ確かに角あるし一番似合うけど…。


珍しくランボに同情するよ。


『お豆おいしい〜』

「結局食べたかっただけ!?」





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