Short story
成人式
『京子!ハル!ただいま〜!!』
「あ、陽子ちゃんですー!」
「みんなも、おかえりなさい」
イタリアにいるあたし達はお正月には間に合わなかったけれど、成人式に合わせて全員で帰国した。
なんでかって?
あたし達めでたく成人を迎えたのです!
ボンゴレ専用ジェット機で飛ばしてきたから機内で着付けやらヘアアレンジやらをしました。
振り袖って…苦しい。
お出迎えしてくれたのは今でも並盛にいる京子とハル。
2人とも相変わらず可愛くって、ツナなんか京子のこと見て鼻の下伸ばしてるからね。
「そういや芝生頭どこ行った?」
『兄さん、野暮なこと聞いちゃあいけねぇよ』
「なんだよおまえ、何キャラだそれ」
「お兄さんなら黒川の所にすっ飛んで行ったよ」
「ははっ、相変わらずなのな先輩も」
極限花の晴れ姿を見るのだー!!って、張り切ってたもんね了平さん。
『まだ時間あるし並高行こうよ!』
「そりゃいいな。行こうぜ並高」
歩きづらい振り袖を気遣ってか随分とゆっくりとしたペースで、3年間通い続けた道のりを歩く。
高校時代を懐かしみながら歩く道のりは、3年前となんら変わりはなく、並盛に帰ってきたんだなと感じさせられた。
『うわぁー!並高変わんないね』
「3年で変わるわけないでしょ」
「雲雀さん!?」
「てめぇ、イタリアじゃねーのかよ!?」
「陽子の晴れ姿を見にきたんだよ」
「ヒバリの奴振り袖選ぶ時に1回見てんだゼ?」
「ただの見たがりかよ!!」
みんなでわいわいしてるうちに、了平さんと花も来て結局馴染みのメンバーが並高に揃ってしまった。
帰る場所ならここにある。
遠いイタリアの地で頑張れるのは、帰るべき故郷があるからなのかな。
なんて少ししんみり。
まだ、やっと大人の仲間入りをしたばかり。
これからの長い人生の中で大切な学生時代を共に過ごした仲間の存在は、とても大きな存在としてあたしを支えてくれている。
成人、おめでとう!!
大人になったあたしをよろしくねっ!
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