Short story

中3初詣

『たけ!準備出来た?』

「お、陽子丁度親父がそば作ってくれたんだ!食べてから行こうぜ」

『え、年越しそば!?』







『ぷはー。お腹いっぱい』

「そりゃ2回もおかわりすりゃ、腹にもたまるだろ」

『……えへっ』

「かわいくねーぞ」






だっておじさんのごはんはなんでもおいしいし、それにえび天がやばいの!!

お店に出す用の新鮮なえびを天ぷらにしてくれるから、ぷりっぷり。



やっぱりおじさんのそばを食べなくちゃ、年越せないよね。






「日付変わっちまったじゃん」

『細かいこと言わないの!毎年なんだかんだで日付変わってんじゃん』




毎年夜にたけの家に行き並盛神社へ初詣に出掛けるのは恒例のことで、昔はよくお母さんとおじさんの4人で行ってた。



それも中学に上がってからはあんた達2人で行ってきなさいなんて言われて、たけと2人で行くようになった。



今頃お母さんとおじさんも竹寿司で一杯やってるんだろう。




神社に入れば祭の時よりは少ないけれど出店も出ている。






「陽子!」



出店が出てきた途端腕をガシッと掴まれた。


「ふらふらすんなよ。先にお願い事な」



え〜〜〜!というあたしの叫び声が木霊した。




結局拗ねたあたしをあやすために列に並んでる途中で、わたあめを買ってくれたたけ。なかよく半分こして、前に進んで行く。



5円玉を投げ入れて神様にお願い事をする。

たけよりも長く拝んでいたら何お願いしたんだーなんて言われたけど、言っちゃったら叶わなくなるんだよ?


たけが並高に受かりますように。






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