medium story

眼鏡





『あ゛〜。』





英語の時間眠くなってきた頭を机の上に突っ伏した。

授業ってつまらない。あたし日本人。英語なんてやってられるか。



ちらりと視線を泳がせば、ぽけーっと前を向いてるツナ。あれは聞いてるふりして頭に入ってないパターンだな。



山本は、いつも通り教科書を立てて寝ている。立てていたはずの教科書は、山本の頭に倒れている状態で、あれでは教師にぼく寝ていますと宣言しているようだ。



最後に獄寺を見る。

眼鏡をかけてはいるものの、机の上に教科書はなく、授業を聞く気はなさそうだ。

他の生徒より椅子を多めに引き、片足だけ胡座の状態にしている様はただの不良。

あれで頭がいいからムカつく。


この間だって人のたばこ吸っといて、顔赤くしてるし。まじタコみたいだった――ってなんでこの間の話になるかなぁ!!



恥ずかしくなったので顔を戻し寝てしまおうかと思った時、制服のポケットの中で携帯が震えた。



アホ面で見てんじゃねーよ。



ばっ!と送り主を睨む。

すると「ばーか」と口ぱくで言った後、勝ち誇ったような笑みを向けてまた前を向いた獄寺。


さっきまで獄寺のことを考えていたせいか、余計恥ずかしくて、赤くなった顔を隠すように顔を伏せた。



そのまま授業が終わるまで寝れなかった。





『と言うわけなんだよ、ツナ』

「何それ、のろけ?」

『は?何言ってんの。のろけなわけないでしょ』



のろけだと思う。
授業中口ぱくで会話なんて、どこの少女漫画だ。



「それで?なんで獄寺くんのこと考えちゃうかだっけ?」

『そう!てか正確にはこの間の屋上のことが浮かぶの。あたし自分のたばこ吸われたのがそんなにショックだったのかな』



また見当違いなことを言い出した友人に、はっきりきっぱり言ってしまいたくなる。でもそれでは意味がない。この鈍感は自分で気付かなければ認めないだろう。



何かいい手はないだろうか。






あとがき
 ̄ ̄ ̄ ̄
さっそく迷惑をかけられているツナさんの話。
獄寺さんは授業中は無意味に眼鏡かけてればいいんだよ←


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