medium story

たばこ




「甘ぇ。」



隣の人物が呟いた。

『なんか食べてんの?ずるい!あたしにもちょーだい。』

「ちげーよ。おまえの甘いんだよ。よくそんなもん吸えんな」


獄寺が言いながらあたしが今くわえている物を指さす。



『いい匂いじゃん。吸わない人からの評判いいんだから!』

「吸う奴からの評判はよくねーよな」

『うっさい。じゃあ何吸えばいいのさ?』



ふと、獄寺の口元に目がいった。あれ?獄寺って何吸ってんだっけ。






ひょいっ





「あ゛!てめっ、人のもん取んじゃねーよ!!てかっ、あ!おい…っ!!」




んー、やっぱりあたしは自分のやつがいいな。獄寺のはきつすぎる。




「………っ!」



「…っおい!!」




『あ、ごめん返すねー』



獄寺さん、どうしたんだ。たばこを見つめ顔を真っ赤にしている。

あたしはそのうちに自分のでお口直し。

すると横からいきなりたばこを取られ、そちらをむくと奪ったたばこを吸う獄寺の姿が――



『ちょ、ちょっと!あたしのっ!』

ちょ、待て待て。そんなに自分の吸われたのが嫌なのか。仕返しですか?ガキだな〜。

てか吸いかけ吸うなよ。これじゃまるで、間接キスみたいじゃ…っ!!



意識した途端、かぁぁ!!と赤くなったであろうあたしの顔。

同じく耳まで真っ赤な獄寺。



『いい加減返してよね』

「お、おう」










「なーあいつら無自覚なのか?」

「山本?なにが?」

「いや、あれで自分の気持ちに気付かないなんて、獄寺も名前もバカなのな」



ハハハッと笑って言う山本。


ツナは屋上の少し離れた風下でたばこを吸いながら、どこがぎこちない2人の友人を見つめ、気付くのは時間の問題じゃないかと思う。

そして自分は、苦労をするのだと。




「あの2人、うまくいくといいね」








あとがき
 ̄ ̄ ̄ ̄
屋上でごはんの後に一服〜な獄寺さん。獄寺さんは「煙が十代目にかかってはいけません!」とか言って、風まで読みそう(笑)
女の子のたばこはCASTERイメージ。

続きが書けたらいいな!


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