medium story

実は密かなファン!?





驚いた。

誰とでも基本的になかのいい山本だ。クラスの誰と話してても不思議じゃないんだけど、2年生になってから早2ヶ月。山本が名字さんと話してるのは初めて見た。




「ようツナ!獄寺!」

「おはよう山本」

「おめーは朝からうるせーんだよ」

「ははっ!なんだ獄寺も寝不足か?」



あー朝から山本節だ。
そんなに獄寺くんを刺激しちゃダメだよ!!低血圧で沸点が更に低くなってるんだから!



「そういえばおまえ、あいつと知り合いか?」



あいつと言いながら獄寺くんは名字さんを指差す。

「俺も思ったよ!山本が名字さんと話してるの初めて見たし」

珍しく山本にキレなかった獄寺くんの話題に便乗すれば、昨日名字さんが雲雀さんに捕まっていたこと、それを山本が助けたこと、一緒に帰って少しなかよくなったことを教えてくれた。



何それ青春じゃん。



「なんでそこで一緒に帰ることになんだよ」

「ん?あるだろそうゆう雰囲気!」

「知るか、んなもん!ほんとにおめー女ったらしだな!!」



獄寺くんと山本がぎゃーぎゃーしてる。



名字さんは大人しい人だと思う。いつもチア部の人達と行動はしているが一緒になって騒いだりしているところは見たことがない。

授業で当てられた時も答えに自信がないのかすごく小さな声で恥ずかしそうに発言する。

俺からしてみれば答えがあってるんだから自信持っちゃえばいいと思う。



「名字さんっていつもチア部の人達といるよね?」

疑問を声にしてみれば

「何言ってんだ?ツナ。チア部がチア部といんのは当たり前だろ?」



それを聞いた俺は失礼だけど驚いた。名字さんってチア部だったんだ!!

どちらかというと吹奏楽とかやってくれたらすごく似合うのに!ピアノとかうまそうな感じ。

そんなおしとやかなイメージな名字さんがチア部だと聞いて獄寺くんも「あいつがチア?」と眉を寄せている。



「なんだおまえら名字がチア部だって知らなかったのか?」

「し、知らないよ!逆に山本が何で知ってるのか不思議だよ」

「んー前な自主練で残ってる時見かけたんだよな。あいつよく1人で遅くまで残って踊ってんだよな」



そうだったのか。
名字さんが踊ってるところ、なんだか見てみたいかも。



「あいつすげーんだよ」それから山本は朝礼が始まるまでの間、名字さんのダンスについて語ってくれた。










「足がな、こう、バッてなってシュパって感じで、腕はグって感じだと思ったら柔らかかったりとにかくすごいんだよ」
「ごめん山本。分かんないや」



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