medium story
なかよくなりたい?
「おう、名字!眠そうな顔してんな〜」
学校に着いて自分の席に座っていると、登校してきた山本くんが話しかけてきた。
山本くんは朝練でもあったのだろうか、Yシャツの上に野球部のジャージを羽織っている。
『あ、おはよ。その…寝たの遅くて…』
「夜更かしか?俺なんかソッコー寝たのな」
『山本くん、もしかして…宿題、やってないの?』
「……………」
え、え、え!!
や、山本くんが爽やかな笑顔で固まっちゃった!これは完全に忘れてたパターンだよね。
『あ、あの…もしよければ、ノート写す?』
「いいのか!?」
ノートを渡してあげれば、ぱぁっと明るくなった山本くん。眩しすぎる程の素敵スマイルですな〜。
「ちょっと名前いつ山本くんとなかよくなったわけ!?」
山本くんが自分の席に帰った後一部始終を見ていたチア部の友人に問い詰められた。
そこで昨日雲雀さんに捕まり、かみ殺されそうな雰囲気になってしまったことや、そこを偶然通りかかった山本くんに助けてもらったことを説明した。
「何それ、青春じゃん!!」
なんだそれは。
山本くんみたいな人にはもっと元気で笑顔がかわいい女の子が似合うと思う。
「名前普段から部活の時みたいだったらいいのに〜」
余計なお世話だ。
部活の子達にだって随分時間をかけて打ち解けていったのだ。
普段から素を出せたら苦労しない。そんな自分があたしは大嫌いだ。
だから山本くんは眩しすぎる。
山本くんみたいになれたらあたしも変われるかな?
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