私には男運がない。男を見る目もない。初恋、つまり初めて付き合った人は、女子高生だった私のすべての初めてを奪い最後に「ぶっちゃけ、あんま好みじゃないよね」と抜かして去っていった。二人目はゲイ。向こうから告白してきたくせに手を出さずしばらくすると「俺、やっぱ男のがいい」といって去っていった。三人目はナルシスト。私が友達と格好いいなあと眺めていたら声をかけてきて何回かデートして、最後に「やっぱり君に俺はもったいない」といって去っていった。四人目はクズ。私に好きだ好きだいって体を求め何かと私に金をせびり、ダメだとわかると「俺さ、働きたくないんだよね。それでもよかったら、結婚しない?」とか言われたのでそのときばかりは私から去った。そして今回。最短記録である。一週間だ。私に散々好きだ好きだ可愛い可愛いと言っておきながら「やっぱりダメだ。他に好きな子がいるから君とは付き合えない」と言ってきた。さすがに、笑った。いや、笑えない。そんな私も今年で二十歳。そろそろ一年くらい長く誰かと付き合ってみたい。最長
で4ヶ月。最短1ヶ月、いや、一週間だったね。そろそろ、
運が向いてきてもいいんじゃないだろうか、私も。さすがに。周りの子は彼氏とイチャイチャしてるのに、これはないだろう。

そんなことを考えながらうるさい目覚ましの音に目を開けると、見慣れない天井、見慣れない壁、寝慣れない布団、それから、見慣れない人。…見慣れない、人?
隣で眠るお兄さんは目覚ましを止めると私を抱きしめながら布団を被った。あ、お兄さん甘くていい匂い。私の男運がない原因の一つに匂いフェチもあると思う。ぶっちゃけ匂いさえよければたいていの男はいける。じゃ、なくて。ついに、やっちまったのか、私。酔った勢いでその辺の男と?嘘でしょ。最悪。ていうかこの人なんでこんな私抱きしめてんの。抱き枕かなんかと勘違いしてやがるんですかコノヤロー。
もんもんとか考えていると襖がバーン!と開かれ若い男の子の声がして、叫び声と共に襖がしまった。よく考えなくても、わかるよね。一夜を共にした男女の後だよね。見上げてみると、ティッシュが丸まって落ちてる。私、裸。この人も、たぶん裸。…死にたい。



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