「どうしたの?」

「べっつに」

「…今日、曇ってるから空見ててもつまんなくない?」

「あー…。別に見てねぇし」

「そうなの」

「あー」

「…」

「…」

「…」

「おまえさ、」

「なに」

「いつから大人って大人になると思う」

「大人、か」

「今日、担任に大人になれって言われた。もう、子供じゃないだろって。でも、俺ら子供じゃねぇか。酒だって飲めねぇしタバコも吸えねぇし、なんも出来ねぇじゃん。成人式だって、まだずっと先だしよ。何が大人だよ」

「そうだよねぇ。子供に大人になれって、無理な話だよねぇ」

「…そんなん考えてたら頭痛くなってきた」

「うん…。そうだな、胸張って自分は大人だって自分に言えるようになったら大人なんじゃないかな」

「なんだよそれ」

「いくら成人しててもさ、理不尽なこと言ったり私たちより子供みたいなこと言ったりする人だっているでしょう?だから、そうじゃないかなって」

「大人、ねぇ」

「いくら他人を騙せたって自分は知ってるもんでしょ。」

「…そーゆーもん?」

「そーゆーもんだよ、たぶん」


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明王がもさおになるまで。ほんと、頭はふさふさになったのに性格はつるっと丸くなっちゃって。何があったんだその十年間に。


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