今日は、高校入試の合格発表だ。入試の日と違って、在校生は普通に授業がある。登校してくる生徒が邪魔なのか生徒の邪魔にならないようになのかわからないけど、私が登校すると校門を入ってすぐに掲示板があり、数字が書かれていた。思わずケータイのメモを開き目当ての番号を探す。あの子は頭がいいから、推薦だった私なんか比にならないくらい熱心に勉強していたから、きっと受かっている。そう思ってもやっぱり怖い。来年は、一緒に駅で待ち合わせて一緒に電車に乗って私の教室まで私を送るって、耳を真っ赤にして言っていた姿を思い出した。私だって、一緒に行きたい。この一年、サッカー部のたった一人のマネージャーと言うおいしい位置にいたのにフラグを立てなかったのは何のためだと思ってるの。…あ、あった。え、あった。

「あった!」

「何がだよ」

思わず声に出した言葉への返事に驚いて振り向くと中学の制服を着て一人浮いている、さっきまで脳内で顔を真っ赤にしていた人だった。本来の合格発表の時間よりまだ早い。まだ、在校生が数人登校している最中だ。あと、30分はある。

「どうしたの、こんな早く」

「時間間違えただけだ。お前こそ1人で喋ってて恥ずかしくねーのかよ」

「…嬉しくて、ちょっとね」

正直に答えると髪を触って笑った。初めて見た時より、いつの間にか背が伸びている。私より小さかったはずなのに、もう、見上げてる。

「当たり前だろ。俺、初めは東高狙ってたし」

「この辺で一番頭いいとこじゃない。なんでそっちにしなかったの?」

「はあ?」

「え?」

わかってて、わざと言った。また髪をいじって外方を向いて、小さな声で嘘だろ…とつぶやく姿が可愛くてしょうがない。どんなに背が高くなっても、一年のこの差は簡単には抜かせはしない。

「篤志、はっきり言ってくれたら、私にもわかるかもしれないよ」

「おま…!…や、わかった。俺は、お前が好きで、受かったら告ろうと思ってた。きょ、拒否は受け付けねぇからな。お前なんかのために東高蹴って、こんな、冴えないとこ、」

「篤志、」

どんどん早口になる篤志の腕を引いて、私と同じ目線にする。すると篤志の顔はまた赤くなった。あーあ。あの篤志をここまで振り回せるのなんて、私くらいしかいないんじゃないかなあ。可愛い可愛い。
ぱくぱくする唇に自分の唇を押しつけるだけのちゅーをして言ってやった。私も、篤志が好きだよって。

そのあと、教室からクラスメートに見られていたり篤志と同じように早めに来ちゃった中学生に見られてたり先生に余所でやりなさいと怒られたりしたけど、まあ、学校公認カップルになったから結果オーライだよね。


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