女の子かと思ったと言ったら、それ以来口を利いてくれなくなった。彼の幼なじみに相談したら、謝れば許してくれるよとゆるふわな感じで言われた。たぶん、許すのはお前だけだと思うけどね。
それでも同じ班でいる限り口を利いてくれないのはキツいから、私はしっかり謝ろうと思い放課後サッカー部の活動がない日を狙って教室に呼び出した。彼は律儀に来てくれたけど、不機嫌度はMAX。ツインテールの髪の毛の先を弄って枝毛を探すような仕草はもう、本当に女の子にしか見えない。もう言わないけど。

「先日は、本当に申し訳ありませんでした」

深々と頭を下げながら言うと、彼は髪を弄るのを止めて「は?」と一言だけ言った。

「いえ、性別を間違えてしまって…たいへんお怒りのようだったので。お詫びと言っては何ですが、チョコレートどうぞ」

これも、彼の幼なじみの入れ知恵。取り敢えず一緒に食べ物なんかも渡すといいんじゃないか?とナッツのついた高いポッキーを噛りながら言われた。くそセレブが!

「チョコレート?しかも板チョコ?」

「お、男らしいものが好きだと聞いたので」

「板チョコが男らしい…のか」

「パリッと勢い良くいったらすごく男らしいです」

私の言葉を聞くとワイルド包み紙を破り捨てパリッと勢い良くいった。ゴミ拾わないと、先生怒られちゃうなあ。

「………男らしいか?」

口のまわりにチョコをつけながら言う彼は、確かに男らしかった。
そんな彼の後ろにあるドアの小さなガラス窓で親指を立てている奴は見なかったことにしようと思う。何はともあれ、機嫌が直ったようで何よりだ。



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男が女と間違えたら自分のちんを見せてそうだよね。


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