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その時、尚も男の体を探っていたレヴィが男の足元から小さい銃を見付け出し、それを取り出すのを全員で静かに見た。

「弾入ってるの?」
「入ってる」

レヴィはマガジンを外して、しっかりと弾が入っている事を僕に見せてくれた。

「何で銃を持っていたのに、わざわざリッカの腰帯なんかで首を締めたんだろう?しかも僕は素手で殴りかかったのに、銃で反撃もしないで」
「この男、泣いてるんだけど、意味があるんじゃないか?」

ベルが男の折れた首を上に向け、口から血を流している顔が蛍光灯に当てられ、頬で光る涙の跡が見て取れた。

「リツカの知り合いだったんじゃないか?」
「何故?」
「他人を殺すのに、泣くとはあまり思えないからだ」
「この男が何かで脅され、ただ人殺しする事に泣いてる可能性もあるよ、ベルフェゴール」

「違うわ」

開きっぱなしだった入り口で、戻ったアスモがルシファーの意見を遮った。

「アスモ、リッカは?」
「独りにして欲しいそうよ」
「そんなわけないよ!どれだけ怖がってたか見なかったの?」
「違うわ、先生に言わないといけないと思って来たの」
「何をかな、アスモデウス」
「その男、リツカちゃん専属の執事だったらしいわ…」

その報告で一つハッキリした。
母親がリッカを殺そうと目論み、僕たちがヒモ男を使って偽装した事が、バレてしまったという事だ。ヒモ男はリッカの死体の写真を持って帰ったのに。
そして隠れ家までバレてしまった。


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Dog-ear ??
SCHNEEWITTCHEN






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