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結構早い段階で、俺たちは警護の気を抜いていた。そもそもレヴィが対策を取ったなら見付かるとは思えないし、来たってここでドンパチやるには目立ち過ぎる。
だから、ここに誰かリツカを殺しに来るとは思えない。ただ一応、もしもの為に銃を持って迎え撃つ準備だけしている。
俺はベンチに足を伸ばし、壁に体重を預けてから、リツカを横目に見た。
リツカの傷付いた手は包帯でぐるぐるにされ、シーツの上に置かれていた。反対の手に脈の計測機と、腕に点滴が繋がれている。鼻の下に酸素を送る管が回されていて、病院着姿のリツカだったけど、いつも通りこっちがビビる程の美人である事は変わらなかった。普段から白い肌は今や死人のように青白い。
眠っている目を見ると、付けたみたいなふさふさの睫毛の下が濡れているのに気付いた。泣いてるようにも見えるが、あいにくリツカは寝ている。夢を見ながら泣くなんて器用なやつ、俺は見た事がない。

「おい、起きてんのか」

一応声をかけたが、もちろん無反応。俺は息を吐いて、深く座り直した。





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Dog-ear ??
SCHNEEWITTCHEN






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