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「カタヨセさんのご家族の方はこちらに?」

看護師の言った事に、全員混乱した。誰だよ、片寄って。完全に勘違いだろ。

「意識が戻りましたので…呼びに来たのですが」

看護師の方も戸惑ったのか、混乱して眉をひそめる俺たちを見て、説明を付け足した。それで合点がいった。ベルの野郎の本名だろう。もちろん誰も知らなかった。
アスモも気付いたらしく、はっとして看護師を安心させるように笑顔を見せた。

「わかりました、どこに行けば会えますか?」
「ご本人は入院は拒否されていたんですが、一応一晩だけ様子を見るという事で病室を用意しました。1402号室です」
「ああ〜ベルの事かー、わかったよー」

ワンテンポずれて理解をしたベルゼブブは、へらへらしながらそう言った。看護師が居なくなると、ベルの野郎の見舞いに、ベルゼブブは即座に立候補した。

「あなたを一人で行かせるの…不安なのだけど…」
「だいじょーぶ!私迷わないし」

不安なのはそこじゃねえし。
アスモも俺と同じ意見なのか、苦笑いをした。おそらくベルの野郎の病室は相部屋だろう。どんな失言や厄介をしでかすか、予測もつかねえ。


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Dog-ear ??
SCHNEEWITTCHEN






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