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すっとぼけたベルゼブブの発言にイライラしながら、俺はリツカが笑った時の事を思い出していた。
「リツカは無理をしていたのかもね、本当はもっと笑う子なのかもしれない。まず母親に命を狙われ、逃げて来たところで殺しに現れたのは昔馴染みの執事で、それにリツカを助けようとしていた、例のヒガシマとかいう人も殺されたし…リツカはとても寂しいんだわ、きっと」
アスモの言い方が、俺には気に入らない。こいつの心配の仕方はどことなく恩着せがましい。ああ可哀想に、と思っている自分を好きな人間が言いそうな喋り方だ。
「いや、リツカはヒモ男が死んだ事、知らねえんじゃねえのか」
「ああ、そうだった。今教えるには負担になりすぎるし、この事はまだしばらく内緒にしておきましょう。いい?ブブちゃん」
「はあい」
まあ…どうでもいいが、そんな事誰がわざわざするんだ。
女二人の会話に俺が呆れてると、誰かが病室をノックした。
「末次さーん、入りますよー」
看護師の声に、俺は銃を意識しながら姿勢を直した。俺がレヴィから受け取った銃は今、俺の背中側の腰に挿してある。
入って来た看護師は、リツカの世話をするのかと思ったが違った。
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▽ Dog-ear ??
SCHNEEWITTCHEN