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急いだ甲斐は有り、ホテルのホールを抜けてドアに到達したのは舞良が一番だった。

外にでて外気で息を整えたが、響のリムジンは無かった。

違うリムジンが並び、出る頃合いを見計らって、主人を待つ運転手ばかりだった。

舞良が不安でキョロキョロしていると、大きな声が舞良を呼んだ。

「マイロさん!こちらです!」

響のリムジンの運転手は、玄関が混む事を予測して、少し離れた所に車を止めていた。

舞良が急いで乗り込むと、運転手はリムジンを発車させた。

舞良は運転席がある方の座席に座り、運転手に乱れる息でお礼を言った。

「あ、ありがとうございます。家までお願いします」

鳴り終わる前に、という響の言葉のせいで、止めると目安がわからなくなると、混乱して意味のわからない事を思っていた舞良は、自然に止まるまでアラームを止める気は無かった。

リムジンに乗り込んですぐに、アラームは止まった。

「黒木さんが連絡してくださり、マイロさんの着替えと、フェイスペイントを落とす為の物を、そちらに持って参りました」

舞良がそう言われて見渡すと、白い紙袋があり、中を確認すると舞良が着てきた冴えない服と眼鏡と液体が入った白いボトルが入っていた。

「ありがとうございます…、あ、この携帯をナリに返しておいて貰えますか?」

ポケットから響の携帯を取り出して、運転手に差し出すと、運転手はバックミラーでそれを確認した。

そして自分の肩越しに白い手袋をした手を差し出して、携帯を受け取った。


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Dog-ear ??
CINDERELLA STORY






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