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朱里は早口で弁解した。

人混みをかき分ける間も何とか守っていたケーキのお皿を持つ手が微かに震えて、今にも落ちそうだった。

舞良はとりあえずそのケーキのお皿を持って、落ちるのを制止した。

朱里の弁解の中に謝る要素など一つもなく、むしろ舞良を喜ばす為だけに言ったように思えた。

「お断りはしたの、他に一緒に行きたい人がいるって…でも、」
「何があったかは気にしてないよ。俺はずっと一緒に行きたかったから、今一緒に来れたのが俺で凄く…嬉しい」

必死に謝ろうとする朱里に、口出しせずにはいられなくなり、自分が如何に嬉しいかを言ったはいいが最後の一瞬で我に返り、妙な間が空いてしまった。

思わず恥ずかしい本心を言ってしまった。

朱里は気にしておらず、そう言った舞良に笑顔を向けた。

「理由は何であれ、一緒に行きたいって思ってもらえて俺は凄くラッキーだよ」
「…理由?」
「俺が誰なのか、知りたかったんでしょ?」
「…」

朱里は視線を泳がせて黙った。

数秒後に顔を上げると、急に照れた笑顔になった。

一瞬舞良は自分が誰なのか朱里がわかったのかと思ったが、朱里の口から出たのは全く別の話題だった。

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Dog-ear ??
CINDERELLA STORY






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