P 128/211


ホテルの入口はガラス張りで縁は金色の回転ドアだった。

中の様子が見えたが、遥か彼方のカウンターより手前にある噴水を意識し過ぎてうつ向いて中に入った。

目を反らした先にあったカフェにいるお客と目があった。
眼鏡も前髪もない状態では開け過ぎていて、恥ずかしくなって目を反らした。

心無しか目があった人は一緒にいた人に何か話していた。

自分の話をしているのではと思い、舞良は急いでその場を逃げて噴水に走った。

入った方からは見えなかった反対側に、ドレス姿の女の子がいた。

普通に考えてパーティーはもう始まっているし、噴水の周りにいるのはその子だけだったら間違いないのに、それが朱里だとは一瞬気付かなかった。

走ってたどり着いた舞良は息を乱したまま、その朱里とおぼしき人を見て固まった。

女の子は舞良に気付くと振り向いて、立ち上がった。

しばらく沈黙が流れて、お互いに相手を凝視した。

顔を見ればそれは間違いなく朱里だった。
響の言っていた事に得心した。

「…ま、待たせて、本当にごめんね」

可愛いいつもの朱里とは打って代わり、今の朱里は物凄く艶やかで、何よりセクシーだった。


←* | top | #→

Dog-ear ??
CINDERELLA STORY






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -