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「…父さんに似てる…」

死んだ知良にとんでもなく似ていた。

こんな姿を見られたら双子はともかく清子は間違いなく気付く。

眼鏡をしていない自分をちゃんと見た事が無かった舞良は、自分がこんなに知良に似ているとは知らなかった。

いつも少し長めの前髪を後ろに流していて、気難しい顔をしていた。

大好きだった父に。

「スタイルを変えている時間は無いわ、アカリを待たせ過ぎているし、私はもうすぐ婚約発表があるの…」
「わかった、キョウコさんからは隠れる…何とかするよ、行こう」

舞良は鏡の方を最後にもう一度見た。

そこに写る自分に向かって少し微笑むと、知良が自分に微笑んだ様に見えた。

店を出る時、篠崎が微笑んで精悍で凛々しいですね、と褒めてくれた。

可愛いだとか綺麗とかではない誉め言葉に、舞良は思わず微笑んでありがとうございますと言った。

別れを惜しむ美歌と舞良は軽く握手をして、またいつか会いましょうと言って別れた。


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Dog-ear ??
CINDERELLA STORY






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