P 115/211
舞良は響を頭に浮かべて、別の事を思い出した。
前の土曜日にやった響とのメールだった。
あの時清子を怒らせてしまい、パーティーには行けそうもないと言ったら、響は迎えに行くと言っていた。
来るのではないだろうか?
連絡も付かない舞良を心配はしているだろうし、その気になれば双子から鍵を借りて来て連れ出してくれるかもしれない。
清子に舞良だとバレるとパーティー会場で最悪なムードになるだろうが、そこは仮面パーティーだからバレないと言った響を信じるしかなかった。
一気に希望が見えた舞良は急にウカレながらシャワーを浴びる気になり、パーティーが楽しみにさえ思った。
しかし舞良の期待とは裏腹に、響は来なかった。
時間がノロノロと過ぎて行き、夕方になり、夜になった。
舞良は朝にカロリーバランス食品のクッキーをかじって以来何も食べていなかったが、空腹を感じなかった。
ほとんどずっと窓から外が見える便器の上に座っていたが、灰宮邸に訪れる人は郵便配達の人すらいなかった。
←* | top | #→
→ Dog-ear ??
CINDERELLA STORY