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返事を待っている間に愛の車が帰って来た。

携帯をポケットに入れて一階に降りると、愛もまた恋の様に電話をしながらリビングに入って来た。

「スポンサーが降りると言っているんです、広告の無い雑誌なんて誰が出版するんですか。
…スポンサーに投資させる力量もないんですか、貴方でなくとも他にお願いしますからもう結構です」

落ち着いたトーンで有りながら、激しい攻撃力を持つ言葉を意図も簡単に吐き出す愛は、ため息混じりに携帯を切った。

どんな企画の一角を担っているのかは知らないが、高校生なのに電話の相手の社員よりも地位が高いのだろう。

相手の社員には気の毒だが、試験が終わったその日に仕事の電話をしている愛の器量の良さには驚かされる。

「ヤス兄さん、晩御飯食べますか」
「ああ、食べるに決まってるだろ。何だ、直ぐに出せないのか」
「あ…直ぐに用意します」

舞良は慌ててキッチンに立った。


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Dog-ear ??
CINDERELLA STORY






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