誰かが呼んでる。ああ、この声は可愛いキャットちゃんだな。

「ジル!おいジェラルド!」

…おいジェラルド?

いつからキャットちゃんがこんな汚い言葉使いを?

跳ね起きて横を見ると、確かに可愛い顔をしたキャットちゃんがそこに立っていた。ただ、表情が険しい。それに、横には不安げな顔をしたなつめも立っていた。その全てが、異常事態。

「なに!誰よ君達!俺の知ってる2人じゃない」

「当たり前だバカ、お前が用意していた紅茶を飲んだらこの有り様だ。どういう事か説明しろ!」

「キャットちゃん!"お前"とか"説明しろ"とか言わないで!怖い!何がどうなった!」

「説明しろと言ったのは俺の方だって」

「ぎゃー!!」

キャットちゃんが俺って言った!

「つまりね、ジル。私達中身が入れ替わっちゃったの」

なつめが困った顔をして状況を説明してくれた。なつめが"ちゃったの"と言った時点で、歩くパソコンと言われた俺(自称)が理解力の限界を感じた。

「そんなバカな!」

「動揺したいのはこっちだ、早く元に戻せ」

「戻すったってどうやって!そんな素敵な、もとい、怖い薬物発明してないよ!」

「は!?、てかうっかり素敵とか言うな、殺すぞ」

怖い怖い怖い。キャットちゃんに殺人予告されてしまった。

「わわわ分かった、とにかくその紅茶から直す薬、つつつ作ってみせるけど、それまで君達…トイレとか、お風呂とか、どうする…の?」

あ、そういえば みたいな顔をして、2人とも顔をカッと赤くした。

「ええええええ!!」










「っていう夢を見たんだ…悪夢だったよ…」

「お前って天才的に賢いのか天才的に馬鹿なのか、どっちだよ」

叫び声を上げて起きた僕を心配(?)してくれた2人が横に座って、夢の内容を呆れ顔で聞いてくれた。
なつめに一蹴されたが、キャットちゃんは笑ってくれた。

何でこんな夢を見たかは分かる。昨日の夜、美女と体が入れ替わったら…ぐふふ的な事を考えてたからだ。
天罰ですか、神様。

それにそもそもそんな事不可能だ。

分かるとも、なんて言ったって天才的に馬鹿で天才的に賢いからね!
科学的に出来ないと分かるし、もし出来るならとっくに研究してるもん。

とか言うと、なつめに殴られるだろうな。今日はこのまま黙っておこう。

NIGHTMAREを見た



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