この人は誰だろう。
初めて見たような気もするし、何年も前から知っていた気もする。じゃあ多分知り合いだろうな。この家にいるし勝手を知って、コーヒーをテキパキ容れている。

「ちょっと薄くなっちゃった」

若い、女。
知らないな、覚えてない。覚えてる事は何だっけ。そうだ自分は覚えてる。生まれも育ちもこの町でこの町で結婚した。美しい妻。クローディアは?

「クローディアを知らないか?」
「…もういないでしょう」

どういう意味だ。クローディアは死んだのか。そういえばこの女はクローディアに少し似ている。誰だ。

「私はイーディよ」
「誰だ?」
「長い付き合いだから腕に居るわよ」

腕には名前があった。知り合いの名前が彫ってある。イーディの名前を見つけた。この女はイーディか。確かに知り合いだ。ところで、何で僕の前に座っているのだ?いつから一緒にいただろう。

「あなた、仕事があるのよ」
「印刷機の販売会社で働いてる」
「いいえ、今は違うの」
「じゃあ何だ?」
「殺し屋」

僕は苺ジャムを付けたスコーンが好きだった。クローディアの作るジャムが美味しかった。クローディアの母に教えてもらったそうだ。受け継がれる味なのだろう。
テーブルに苺ジャムとスコーンとコーヒーが置いてあるが、いつから置いてあった?ジャムはクローディアの作った物だ。でもクローディアは居ない。多分、ずっと前から居なくて、これからもずっと居ない。コーヒーの味が薄い。僕が容れたのだろうか。いや違う、僕はあのコーヒーメーカーの使い方を知らない。じゃあこの女か。

ところで、この女は誰だ?

僕はジャム付きスコーン



これを書いた時、空前のクリストファーノーラン監督ブームが来ていました。
メメントにハマってて、発想パクりしてますごめんなさい。おかげでこの小説、全然好きになれません、ごめんね。
イーディは僕の娘じゃないかなーって、思ったり思わなかったり。多分娘。クローディアの妹って可能性も捨てがたい。
まあ、何だっていいんですけどね。どうせ盗作。

written by ois







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