その少年‐005

晴男
「…じゃあよろしくお願いします」



良かったー…。


ひとまずは何とかなりそうだ。



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 『神部法律相談所』


 KANBE RYUUZI
 神部  龍司


 お悩み事はお気軽にご相談ください!…

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 晴男が電話をしたのは祖母が亡くなった時に世話になった法律事務所。応対してくれた弁護士の男は快く返事をしてくれ今からでも構わないとの事だったのですぐに行くと返事をした。


 猫のようにひっつくゆうずきを一旦剥がし、身支度をする。ゆうずきには友紀が置いてったコスプレ衣装から少し拝借して出掛けられる装いにした。


 食事の時に外した赤いフレームのメガネを掛けさせ、リボンの髪留めで前髪の横を留め、長い後ろ髪は耳後ろの低い位置で二本に結う。仕上げに帽子を被せて服装はそのままにブーツを履かせてタクシーを呼ぶ。


 出逢いが出逢いだっただけにゆうずきを知っている奴に声を掛けられたくなかった。


 なので晴男は念には念をとバッチリ女の子変装に仕上げた。


 別に女の子が良かったのにとかそんな不純な動機ではない。



 断じて違う!!



 と、自分に激しく言い聞かせつつ戸締まりをしてゆうずきを連れてタクシーに乗り込んだ。


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