その少年‐004
ぎゅむっ。
晴男
「Σのっはぁっ!?」ビックウッ
ゆうずき
「Σ!?」ビクッ
晴男
「な、なんだ…ユウか…;;;びっくりした…;;;」ドキドキドキ…;;;
ゆうずき
「…!」
座り込んで箱を漁る晴男の背中にゆうずきが思いっきり抱きついた。気を抜いていた晴男は心臓が止まるかと思うほど驚き、背中からゆうずきを剥がすと隣に座らせた。
が、なぜかゆうずきがびっくりした顔で固まっている。
晴男
「どうした?ユウ」
ゆうずき
「………」パチクリ…
晴男
「ユウ?あ、ゆうずきって長いからユウって呼ぶな」ニカッ
ゆうずきって呼びにくいんだよ、とか独り言のように話しているとゆうずきが今度は晴男を正面から抱き締めて、胸に顔をうずめながらはにかんだ顔をした。
瞬間。
晴男に何かがクリティカルヒットした。
晴男
(…う、嬉しいのか…?///…女の子じゃないのが残念だ…)
お前が残念だよ、と冷静な自分に斬り捨てられ晴男は探し物を再開した。
そしてそれは漁っていた箱の中から出てきた。
探していたのは一枚の名刺。
晴男は「よし」と呟いてすぐに書かれている番号に電話を掛けた。
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