その少年‐002

 そして、案の定首を横に振る美少年…。


晴男
「…文字…書けない、んか…(涙)」

美少年
「………」コクリ

晴男
「||||」シクシク…

美少年
「……?」カクリ

晴男
「…文字、読むことは…?|||」


 美少年は首を傾げた。


 文字の読み書きが出来ないらしい美少年の名前を聞き出す残された手は…。


 晴男が五十音を一個ずつ言って名前の文字を指定してもらい、指定された文字から名前を割り出すとんでもなく時間の掛かる方法。


 覚悟を決めた晴男は泣きながらひとつずつの音をゆっくりと発音していく。美少年は首を横や縦に振って教えてくれた。


 割り出された文字は《う》《き》《ゆ》《ず》―。


晴男
(…うきゆず…絞れたな;;;)チカレタオ…;;;

美少年
「………」

晴男
「じゃあ、今度は今の音を組み合わせるから…名前が出たら教えてな?」

美少年
「………」コクリ

晴男
「うきゆず?」

美少年
「………」ウウン

晴男
「きゆずう?」

美少年
「………」ウウン

晴男
「ゆずうき?」

美少年
「………」ウウン


 文字を並べ替えること幾時間…。ポッポー


晴男
「あーと…えーと…じゃあ…ゆうきず…?」

美少年
「……?」カクリ

晴男
「どうした?」

美少年
「……??」
 


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