その少年‐003
美少年は少し困り顔をして首を傾げている。
晴男
「もしかして、似てるけどなんか違う…みたいな?」
美少年
「………」コクリ
晴男
「おー!ゆうきずだろ?なんだろな?何文字目まで合ってる?《ゆ》?最初が《ゆ》は合ってる?」
美少年
「………」コクリ
晴男
「じゃあ次、《ゆ》の次が《う》なのは?《ゆう》は合ってる?」
美少年
「………」コクリ
おぉ…!!///
これはイケるか…!?///
晴男
「《ゆうきず》が近いんだから…ゆうずき…《ゆうずき》は!?」
美少年
「………」コクリ
美少年はゆっくりと頷いた。でも名前を割り出してはしゃぐ晴男とは裏腹に《美少年》改め《ゆうずき》は少し暗い顔をしていた。
晴男
「良かったー。名前だけでも知れて///」ナデナデ
ゆうずき
「?」キョトン
にっこにこでゆうずきの頭を撫でる晴男。撫でながら突然あることを思い出して駆け足で居間を出て行った。
残されたゆうずきは自分で自分の頭を撫でながら首を傾げて晴男のあとを追いかける。
どうやら頭を撫でられるのが好きらしい。
一方の晴男は仏間で家捜しをしていた。
晴男
「…確かここに仕舞ったはずなんだけど…」ガサガサ…
[ 53/60 ]← | →
し お り を 挟 む