それは突然に‐005

 晴男は怯える美人の頭をぐりぐりとちょっと乱暴に撫でくり回し、その姿を眺めてため息をこぼした。



とりあえずこのばっちいのをなんとかするか…。



 と、ここで晴男は大変な事に気付く。


 さっきから鼻にまとわりつくイカのニオイ。それはつまり、この美人の身体には知らない男の"アレ"がべったりなわけで…。


晴男
「……||||」


 絶望的にぺったんこな胸からしてこの美人は男の子であると推測される。


晴男
「……え、と…どっち?;;;」

美人
「?」キョトン

晴男
「…;;;ちょっと…ごめんね…?;;;」


 何度も何度もごめんねと繰り返しながらボロボロのワンピースに手をかけて裾を捲る。


 ノーパン。


 そして見慣れたモノがコンニチハ…。


晴男
「…うん…お風呂行こうか…|||」ズーン…|||

美人
「…?」


 美人を風呂場へと連れて行き、脱衣場に押し込めて出て行こうとするとシャツの裾をつままれた。


 振り向くと何か言いたげな顔…。


 瞳を見れば「一緒に入らないの?」な視線。


晴男
「…えーっと…自分で入ってください…;;;」

美人
「…?」カクリ…

晴男
「………;;;」


 面倒臭そうな空気が流れる。もしかしたら、自分で風呂に入れないんじゃ…的な。

 どうしようかと見ていると、美人の顔がだんだんと切ない表情になる…。


晴男
「…ちょ…そんな顔されても…;;;」
 


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