012

なんとなく落ち着かなくて天井を見上げると、所々破れていて星空が覗いていた。


絢奈
「星…綺麗ね」

お兄さん
「そうだな」

絢奈
「私、こんなにたくさんの星見たことない」

お兄さん
「そうか」

絢奈
「うん」


そう。

ほんの少しだけの隙間なのにびっくりするほどの数の星が輝いていた。

まるでそれは都会から離れた田舎の夜空のような…。


つまり、


星の光を邪魔する強い明かりが無いということなわけで…。


絢奈
(…今どき田舎でもこんなに星は見えやしない…)ハァ…



鬼が居るということは日本か中国の辺りだけど、このお兄さんは悪路王や大嶽丸を知っていた…。

ここはたぶん日本のどこか…。

次に訊いてみるのはもちろん…。



絢奈
「ねえ、変なこと訊いてもいい?」

お兄さん
「?なんだ」



絢奈
「ここ"何県"?」



お兄さん
「けん???」キョトン

絢奈
「………」



あぁ…やっぱり…。



県を知らないってことは〜…、

都道府県が制定される以前の日本ってことか…。



絢奈は俯いて眉間を押さえた。

不思議現状に変な頭痛がしてきたのだ。


お兄さん
「頭が痛むのか?」

絢奈
「ちょっとね…|||」
 

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