鬼ノ一:酒呑童子@#005
絢奈
「!?」
お兄さん
「うむぅ…っ」
お兄さんが急に背を向けたと思ったその時、鈍い音と振動、そしてお兄さんの呻く声がした。
絢奈
「ちょっと!?なに!?どうしたの!?」
お兄さん
「…やが」
絢奈
「やが???」
オッサン@
「この鬼めッ!!その天女様をどうする気だべやッ!!」
絢奈
「!鬼…?!っというか天女様っ!?;;;」
お兄さん
「…天女?何の事だ?」
オッサン@
「お前ぇが抱えてるでねがッ!!」
お兄さん
「この娘か?」
オッサンA
「他に誰が居るッ!!」
お兄さん
「この娘は人間だ」
オッサン@
「嘘こぐでねッ!!だばあれが!?お前ぇまた里から攫って来たのけッ!?」
お兄さん
「私は久しく里へ下りていない」
オッサンB
「鬼の言うことなんか聞くでねッ!!鬼なんか殺すてしまえッ!!」
は?
オッサンA
「さ、天女様!!早ぐこちらへ!!」
お兄さん
「………」
オッサン達は早く早くと手招きながら騒ぎ立てる。
お兄さんはといえば騒ぐオッサン達をじっと見つめていた。
無表情のままだがどこか淋しげに見えた。
というか…。
鬼ってイイ印象無いかもだけど…。
お兄さんもなんで言い返さないわけ…?
イラァ…ッ。
絢奈
「………降ろして」
[ 5/35 ]← | →
し お り を 挟 む