016

 女はお兄さんと話しながら絢奈を隅々まで見る。


絢奈
(…うぅ…怖い…;;;)ビクビク


「アタシが怖いかぇ?」クスクス

お兄さん
「からかうな茨木」



………。


ん?


茨木っ!?



絢奈
「あなた茨木童子(いばらぎどうじ)!?///」

茨木童子
「?そうだけど」

絢奈
「え!?じゃあここって"大江山"!?」

茨木童子
「?ヘンな娘だねぇ。着物もなんだかヘンだし」

お兄さん
「とりあえず中に入れてくれないか」


 あぁ、と言って茨木童子はふたりを中へ案内した。

 庵の中はこざっぱりとしていて隅の方に葛籠が置かれているだけだった。

 お兄さんは絢奈を囲炉裏の前に下ろし、その隣に酒樽を置く。


茨木童子
「で?」

お兄さん
「筍を少しわけてくれ」

茨木童子
「筍?構わないけど…自分で掘ってくるんだね。アタシは手伝わないよ」

お兄さん
「わかっている。あとお前の着物を貸して欲しい」

茨木童子
「は?」

お兄さん
「絢奈に何か着せてやらないと風邪をひいてしまう」

茨木童子
「構わないけど…その娘は帰さないのかい?」

お兄さん
「怪我をさせてしまった。治るまでは連れている」

茨木童子
「…あっそ。じゃあ用意しとくよ」
 


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