胎動篇《二》ー006
綾狐、月子、香紗が乗り込み、その後に天納が渋々牛車に乗り込む。
綾狐が「出してくれ」と声を掛けると牛が一鳴きしてゆっくりと歩き出した。
綾狐
「先に言っておくが、現地に着くまで決して外を見るなよ?死にたくなければ、な」ククク
月子
「Σ!?;;;」ギョッ
天納
「もしかして霊界走ってるんすか…?」
綾狐
「おうよ。牛車の中では俺が絶対だ。死にたくなければ」カッカッカッ
月子
(…外見たら死んじゃうの…!?)ドキドキ
香紗
「そんなに警戒しなくても大丈夫だよ」クスッ
月子
「…;;;」ムリムリ…
綾狐
「息はちゃンとしろよ?」カッカッカッ
月子
「Σっばっはぁっ!!;;;忘れてましたぁっ;;;」ハァハァハァッ
天納
「あはは☆月子ちゃんて面白いっすね!!」アハハハ
月子
「///;;;」ウ〜…
香紗
「ちなみにどの位で着くんだ?」
綾狐
「ン〜そんなにかからンよ」
天納
「早く早く☆」ソワソワ
香紗
「少しはじっとしてろよ」
綾狐
「構わンさ」カカカカ
月子
「あ、そうだ」
綾狐
「ン?」
月子
「忍の里ってどういうところなんですか?」
綾狐
「ン〜普通の農村だな。村長が居て、忍の長も居てって感じ。修行は体術や武器の実技なンかは村で、知識系は依千神の屋敷で教えてもらうンだ」
天納
「いちがみ?」
綾狐
「稲荷家(うち)がずっと世話になっている忍の一族だよ。今の当主は依千神 将右衛門(しょうえもん)ってェ方だ」
天納
「その人が教えてくれるんすか?」
綾狐
「いや、忍術指導は八笠女 威介(やがさめ いすけ)ってのがやるよ。自称里一番の忍だよ」カカカ
自称…?
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