胎動篇《二》ー004
翌朝―。
琉々
「綾狐様、起きてらっしゃいますか?」
すらっ。
月子
「…あ、琉々さん…?おはようございます。姉さまはまだ寝てますよ」ファ〜
琉々
「左様で御座いますか。失礼」
琉々は月子に一礼すると真っ先に綾狐の眠る布団へと近付き、掛け布団を剥ぎ取り、入って来た戸の正面の障子と木戸を全開にした。
窓の向こうには木々の間を滝が流れ落ちている。
月子
「Σ滝っ!?というか寒っ!!;;;」
琉々
「綾狐様。朝に御座います。お目覚めください」
綾狐
「うぅううぅわわわわわぁぁぁ…っ;;;;」ガタガタブルブル
琉々
「お早う御座います。依千神様より文を預かって参りました」
綾狐
「る〜る〜ゥ〜…お前…やってることが何時も何時も荒いンだよッ!!!;;;」ベックシ
琉々
「しかしすっきりと目が覚めますよ」
月子
(…琉々さんて変わった人だなぁ…;;;)
綾狐
「わかったわかったっ!!頼むから窓閉めてくれっ;;;」
琉々は「すっきりなのに…」と呟きながら戸を閉める。
綾狐
「文は預かった。もう下がって休め;;;」ウ〜…
琉々
「失礼します」
月子
「…大丈夫ですか?姉さま…;;;」
綾狐
「なンとか…」ズビ…ッ
月子
「…;;;」
綾狐
「お」
月子
「お?」
綾狐
「依千神殿が修行見てくれるとさ。予定を早めて今日発つとしようか」
月子
「わぁっ!天納くん喜ぶでしょうねっ!!」
綾狐
「だな」クックックッ
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