胎動篇《二》ー002

綾狐居室
【尾花間】


綾狐
「ふァ〜///…おう」

銀之丞
「よ」


障子を開けると銀之丞が畏まって座って居た。


銀之丞
「随分長風呂だったな」

綾狐
「ン。月子に昔話してたら長くなった。で?」

銀之丞
「…あぁ」コクリ

月子
「…あの、私外しましょうか?」

綾狐
「居ろ」

月子
「…はい」


綾狐は目で「で?」と話を促す。


銀之丞
「御華(みけ)が彩華屋を辞めたいらしいんだ。…仕事のできる身体ではなくなってしまって…世話になった旦那に迷惑をかける訳にはいかないって」

綾狐
「ふゥン。幾らだ?」

銀之丞
「あ…聞くの忘れた…」

綾狐
「お前…」ハァ

月子
「あの、みけ?さんて何のお仕事されてるんですか?」

綾狐
「遊女だよ」

月子
「ゆうじょ?」キョトン

銀之丞
「月子ちゃんは知らないかな?男相手に女を売る商売をする人だよ」

月子
「女を売る???」

綾狐
「…。よしっ☆その説明はまた今度な☆」ペロッ☆

銀之丞
「だねっ☆」ペロッ☆

月子
「???;;;」

綾狐
「…で、銀之丞は身請けの話を含めてもう一度彩華屋に行って来い。うちは受け入れは歓迎だが、明後日から月子の忍術修行を依千神殿に依頼しててな」

銀之丞
「お〜!///月子ちゃん頑張ってねっ!!…超変態お師匠さんなんだけど…」ボソッ

月子
「がんばりますっ!!…え…?」



最後…なんて…?



銀之丞
「じゃあおやすみなさい!明日また彩華屋に行ってくるよ」

綾狐
「おう。…しっかりしてくれよお兄サン」

銀之丞
「頑張るよ」エヘヘ

月子
「…あ、おやすみなさい」

銀之丞
「はい。おやすみなさい」フフ


たん。


綾狐
「…」

月子
「…ほんとは仲良しさんなんですね」クスクス

綾狐
「あいつと俺は巫山戯てるぐらいが丁度良いンだよ」ククク

月子
「ふふふ///」
 

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