胎動篇ー040

天納
「え?どんなって…ん〜…綺麗な子っすね」

千代・月子
『綺麗な子?』

天納
「背は小さいんすけど、手足が長くて、肌も白くて、とにかく綺麗なんすよ」


そう言うと天納は"其の子"の姿を想い浮かべる様に雪景色へと視線を戻した。


千代
「同じ国の子?」

天納
「国…というか住んでる世界が違うっす。だから滅多に会えないんすよね…」

月子
「そうなんだ…」

天納
「…」


何て話しを続けようか分からなくなった六人は黙ったまま雪道を歩く。


天納
「…会いたいなぁ…」ポツリ

月子
「…」

千代
「あ!こういうのはどうですか?」

天納
「?」

千代
「銀之丞さまは絵がとても上手なのですよ。だから天納くんの好きな子の絵を描いてもらうの!」

月子
「銀兄さまは絵が上手なのですか?」


銀華と金華の顔を見る。


銀華
「えぇ。美人画は特に上手いわね」

金華
「…」コクン

月子
「美人画だって!天納くん描いてもらったら?」

天納
「…でも」

銀華
「銀は忍の任務で似顔絵の作成をする事が多いの。人から特徴を聞きながら。銀の作成した手配書での任務の失敗は無いわ。それに、一時期"廓(くるわ)"で絵師の仕事もしていたのよ。だから腕は確かね」

天納
「…ん〜…というか、嫌じゃないっすかね?…自分の似顔絵を持ってるって思ったら…」


天納は俯いてしまう。
 

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