胎動篇ー037
月子
「それは…」
梅虎
「それはね、煌黄桜が御霊を導いてやっているからなんだよ」
月子・天納
『?』
梅虎
「ふふ。あの桜は凄く凄く古くから在ってね、木の精が宿って居るんだ」
月子
「木の精…」
千代
「うん。今は花を咲かせる準備で眠ってるんだけどね」
月子
「へー///」
千代
「花の頃になったら月ちゃんも会えるよっ」フフ
月子
「ほんとっ!?会ってみたい!!///」
どんな人(?)なんだろう。
楽しみっ!!
天納
「精霊…っすか〜…」
銀華
「どうしたの?」
天納
「なんでもないっす☆」エヘヘ
銀華
「そう。…さ、皆雪も止んだようだし帰るわよ」
気が付けば何時の間にか雪は止んで、陽が暮れ始めていた。
天納以外は後片付けを手伝いながら帰り支度をする。
天納
「…」ボー…
月子
「天納くん?帰るよ?」オーイ
天納は雪化粧で真白になった庭を見詰めたまま呆けている。
顔の目の前で手を振るが反応が無い。
竹乃
「…」スッ
べちんっ。
月子
「!」
竹乃が天納の背中、ちょうど左右の肩甲骨の間辺りに喝を入れる。
竹乃
「ほれ、しっかりしろ。置いてかれちまうぞ」
天納
「!あ、ごめんっす…;;;」
竹乃
「考え事しながら雪景色見てっと雪女に連れてかれちまうぞ?気をつけろよ」
天納・月子
『雪女?』
梅虎
「そうよ。男の人だけなんだけど、考え事をしながら雪景色を見ていると雪に魅入られてしまうんだよ」フフ
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