胎動篇ー021

月子の視界は突然天納で一杯になった。

何が起きたのか解らずにただただ目の前のモノを見詰める。


天納
「月子ちゃんから…する」クンクン

月子
「…??」


ぐっ、とすん。


月子
「…」

天納
「やっぱり月子ちゃんだ」


天納は匂いを嗅ぐことに気を取られ月子を押し倒し覆い被さった。

そのまま茫然としている月子の首筋に鼻を近付けていく。


天納
「月子ちゃん…鬼に何かされた?」

月子
「………」ポカーン


ねぇ聞いてる、と月子の瞳を覗き込む。吐息のかかる程の距離で…。


千代
「…」ポカーン

千歳
「……」ポカーン

綾狐
「…」

香紗
「…鬼?」

月子
「…綺麗な瞳、ですね」

天納
「そうっすか?」キョトン

月子
「不思議な色〜…」スッ…


月子は天納の目の縁を細い指でなぞる。

天納の瞳は角度や光の当たり方によって様々な色に変化した。


香紗
「…早く退け天納。何時までその子に乗っかってるつもりだ?」ハァ…

綾狐
「面白い奴らだな」クックックッ

天納
「!?Σっわーっ!!ごめんなさいっす!!;;;」バタバタ

月子
「Σっにゃーっ!!!!!////;;;」ジタバタ

綾狐
「おいで月子」ククク

月子
「ーっ///;;」

綾狐
「紹介しよう。これは俺の妹、月子、千代、千歳だ」

香紗
「天納が済まなかったね」

天納
「ごめんなさいっす…」ショボーン

月子
「い、いえ///;;;」ドキドキドキ…



びっくりしたぁ〜…///



綾狐
「…で、こっちが荻津の国を治める柳凪家ご長男、香紗殿。それと従者の天納。天狗の子なンだそうだ。俺も天狗は初めて見たよ」


天狗―…。


 


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