胎動篇ー018
月子は汚れのせいで何色とも判らないぼろぼろの、お世辞にも綺麗だとは言えない着物を着ていた。
月子
「豆ちょっと待っててね;;;」
豆太郎
「ぴ〜;;;」
綾狐
「捕って喰ったりはしねェよ」カッカッカッ
月子の手を取ると先程の秘密の部屋へと連れ込む。
壁を閉めるのと同時、千代と二人の男が部屋に入ってきた。
千代
「あら、豆ちゃんはお留守番?」
豆太郎
「ぷ;;;」
男@
「うわぁ〜っ!可愛いっすね〜!!///」
一人の男が豆太郎を見た途端、可愛い可愛いと繰り返しながらこねくり回し始めた。
豆太郎はまたかよ…といった顔でまたもやぐったりしている。
豆太郎
『ぷぅ〜ひぃ〜;;;』
月子
「豆?;;;」ヒィ〜ッテ…
綾狐
「大丈夫だ。何かあれば千代が何とかする。…あ〜あったあった」
月子
「?!」
綾狐
「ほれ」バサッ
綾狐の手には緋袴と黒地に小桜の柄の着物があった。
月子
「わぁ…///」
綾狐
「これ、お前にやるよ」
月子
「Σえ゙っ!?」ビックリ…
綾狐
「?好きな色柄じゃないか?」
月子
「いえ;;;…ただ、わたしなんかがそんなに綺麗なお着物を…;;」アアアア…
綾狐
「よしっ!着替えよう!!」カカカ
綾狐は徐に月子の着物へと手を伸ばす。
月子
「え!?あ!?ちょ…!?ひとりで着替えられますからぁっ!!!;;;」イヤァァァッ
がたん!どすんっ!
男A
「?」
男@
「?…なんの音っすか?」
千代
「…さぁ;;;」
かたん。
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