胎動篇ー017
綾狐
「まァ、初日に聞かせるにはちィとばかし重過ぎるからまた今度な」
月子
「はい…」
綾狐
「後は〜…字でも書いてみるか。月子は天の月に子供の子か?」
月子
「!はいっ///」
綾狐
「俺が見本を書くから真似して書いてみな。あと、ゆっくり書くから書き順も覚えろよ?」
月子
「はいっ!」
大きくゆっくりと月子の名前を書いていく。月子は筆の動きを目で追いかける。
部屋には筆の滑る音だけが静かに響く。
千代
『綾狐さま』
綾狐
「おう。どうした」
千代
『銀華さまから柳凪さまは明日だと聞いたのですが…』
綾狐
「そうだ。…来たのか?」
千代
『はい』
綾狐
「此処に通してくれ」
千代
『かしこまりました』
月子
「あ、ということは片付けなくてはですね」
綾狐
「構わンよ。紙も沢山有るし好きなだけ書いてみると良い」カカカ
月子
「大丈夫なのですか?」
綾狐
「構わンとも」フフン
???
『綺麗なお屋敷っすね☆』
???
『そうだな』
月子
「?…あ゙っ!!」
綾狐
「Σ何だ!?」ビクッ
月子
「わたしこんな格好…」
綾狐
「あ〜…。ちょっと待ってな。千代」
千代
『はい』
綾狐
「ちょっと外す。先に入って待っていてくれ」
千代
『かしこまりました』
綾狐
「おいで」
月子
「?はい」
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