胎動篇ー014

月子
「あ、あの!」

綾狐
「はい!其処っ!」

月子
「その…花猫さん?の頭…」

綾狐
「猫の耳だな」

月子
「やっぱり?;;;」

綾狐
「お前、和国(此処)がどういう所か聞いてないのか?」

月子
「え…?」


思わず母の顔を見るが月子にただただ微笑みを向けていた。


綾狐
「ま、それはまた後でにして話をする。まずこの二人の処遇についてだが、城(うち)に住まわせる」

千歳
「…!」

銀華
「何故?」

綾狐
「俺が気に入ったから」カッカッカッ

銀華
「そう。なら良いんじゃない」

綾狐
「異議のある奴は?…今出さないと後では聞かないからなァ」


静まり返る部屋―。


花猫
「居ないみたいだにゃあ〜☆」ニャハハ

綾狐
「そンじゃあ簡単に紹介するよ。端から 稲荷銀華、稲荷金華、向かいが叶栄(かなえ)千代、叶栄千歳、奥に居るのが花猫そして俺が稲荷綾狐。後〜さっき使いに出たのが稲荷銀之丞」

花猫
「よろしくにゃ☆」ニッコリ

千代
「ね?」クスクス

千歳
「…どうして」

綾狐
「千代は機の読み方が上手くなってきたな」カカカ

千代
「ありがとうございますっ!」

綾狐
「じゃあ皆、何時もの仕事に戻ってくれ」


綾狐が切り上げると各々仕事に戻って行く。


月子
「…え〜と…」


「…」


綾狐はよいっと立ち上がると柱の陰に垂れる色とりどりの紐を一本引く。
 

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