胎動篇ー011
月子
「…綺麗…///」
綾狐
「だろう?昔ある奴に預かっていてくれと言われて此処に置いてンだ」
月子
「…大切な方なのですね」
綾狐
「ン?」
月子
「この羽織りだけとても綺麗に手入れがされています」フフ
綾狐
「まァ預かり物だからな。汚す訳には…」
月子
「あたりですか?」ニヤニヤ
綾狐
「…ほら!黒真珠」グイッ
月子
「あ〜?ごまかさないでくださいよ〜」ニヤニヤ
綾狐
「!…しっ」
月子
「!?」
綾狐は自分の唇に指を当て、月子に手を翳し壁を見詰める。
銀之丞
『入るよ〜。あれ?綾狐?居ないの?』
月子
「あの声…」ヒソヒソ
綾狐
「クックックッ。時間切れ〜。銀が来ちまった。意外と早かったな」ニヤニヤ
月子
「…え?え?Σあっ!!」
残念でしたァと意地の悪い笑みを浮かべて綾狐は黒真珠の入った箱の蓋をはめた。
月子
「あぁ〜;;;」
綾狐
「カッカッカッ!こっちにおいで。灯りを消すから俺の肩に掴まりな。足下気をつけろよ」フッ
月子
「はい…」
十歩程歩いた所で綾狐がまた何かを呟きながら壁をなぞると、何故か廊下に出た。
月子
「あ、れ?ここ…」
綾狐
「俺の部屋の外だよ」
月子
「へ?」
銀之丞
『綾狐〜?外に居るの?』
すらっ。
綾狐
「なンつー情けない声出してンだよ」
銀之丞
「ごめん…」エヘヘ…
綾狐
「入れ」
三人は部屋へと入る。
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