お前はまたか-005
月子
「…綺麗…///」
綾狐
「だろう?昔ある奴に預かっていてくれと言われて此処に置いてンだ」
月子
「…大切な方なのですね」
綾狐
「ン?」
月子
「この羽織りだけとても綺麗に手入れがされています」フフ
綾狐
「まァ預かり物だからな。汚す訳には…」
月子
「あたりですか?」ニヤニヤ
綾狐
「…ほら!黒真珠」グイッ
月子
「あ〜?ごまかさないでくださいよ〜」ニヤニヤ
綾狐
「!…しっ」
月子
「!」
綾狐は自分の唇に指を当て、月子に手を翳し壁を見詰める。
銀之丞
『入るよ〜。あれ?綾狐?居ないの?』
月子
「あの声…」ヒソヒソ
綾狐
「クックックッ。時間切れ〜。銀が来ちまった。意外と早かったな」ニヤニヤ
月子
「…え?え?Σあっ!!」
残念でしたァ、と意地の悪い笑みを浮かべて綾狐は黒真珠の入った箱の蓋をはめた。
月子
「あぁ〜;;;」
綾狐
「カッカッカッ!こっちにおいで。灯りを消すから俺の肩に掴まりな。足下気をつけろよ」フッ
月子
「はい〜…;;;」クスン…
十歩程歩いた所で綾狐がまた何かを呟きながら壁をなぞると何故か廊下に出た。
月子
「あ、れ?ここ…」
綾狐
「俺の部屋の外だよ」
月子
「へ?」
銀之丞
『綾狐〜?外に居るの?』
内から開けられたら障子、眉を八の字にした銀之丞が顔を出す。
綾狐
「なンつー情けない声出してンだよ」カオモ
銀之丞
「ごめん…」エヘヘ…
綾狐
「入れ」ッタク…
三人は部屋へと入る。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ [ 148/154 ]← | →
し お り を 挟 む