胎動篇《三》ー001

綾狐
「どうすっかねェ〜?」

香紗
「仔妖怪の処遇でも考えるか」

綾狐
「…そうだな。狐と雪女だっけ?」

鬼灯姫
「どうせ身寄りが無いのだろうから稲荷で保護したらいいじゃない」

綾狐
「そうだなァ」


よっと立ち上がると綾狐は竜胆間にも結界を張り、隣の部屋から狐の少女と舞雪を引っ張り出し口元の呪布を外す。


千代
「綾狐さま!?」

綾狐
「おーゥい。起きろー」ペシペシ

狐の少女
「ぅ…」

綾狐
「おゥ。気が付いたか?」

狐の少女
「!?」

綾狐
「千代、そっちの雪女も起こしてくれ」

千代
「へ!?え!?はい;;;」


千代は言われる儘に恐る恐る雪女を揺り起こす。


舞雪
「……ん…」

綾狐
「おゥ。大丈夫か?」

舞雪
「!っ」ギチッ

綾狐
「無理に動くと身体千切れるぞ?」ククク

舞雪
「!?」

狐の少女
「…ボクたちをどうするつもり…?」ギッ


綾狐
「今から考えるンで起こしたンだよ」クックックッ


綾狐が意地悪く笑う。


狐の少女
「…あんたも狐だね」

綾狐
「半分だけな」

狐の少女
「…ボクを殺すの?」

綾狐
「なァンでそうなる?俺ァ同族は絶対ェ傷付けたりしねェよ」

狐の少女
「…じゃあ舞雪ちゃんはどうなるの?」
 

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